介護職に就いている人たちは、どんな事情で転職をされているのか、どんな事情で介護職に就いたのかなど、介護従事者の転職事情をわかりやすく紹介したいと思います。
もともと介護従事者の場合
人生のターニングポイントに働き方を変える
転職の理由は結婚であったり、パートナーの仕事の関係であったり、子どもを授かったり子どもの成長に合わせて働く時間を変えるなど、これは介護職に関わらず誰にでもどんな仕事でも、人生の転機は転職のタイミングでもあります。
現在特別養護老人ホームで働いている私の周りでは、結婚を機に正職員からパートタイム職員へ変わる方も多くいます。同じ施設内でのことなので、これは転職というよりは働き方を変える、ということになりますね。
身体を壊して負担の少ない事業所へ
また、私が働いている法人はデイサービスや居宅サービスのほか、特養だけでなくグループホームやケアハウスも運営しており、特養から他の事業所へ鞍替えする方も多くいます。これまで見てきた中で最も多い理由は、悲しいですが身体を壊してしまったことです。もともと特養を辞めるつもりではなかったものの、体調の変化など身体に異変が生じて、同じ介護職でも負担の少ない事業所へ移っていく感じです。
他の特養や老健からの転職
介護従事者の中で一番多い転職理由は、より条件・待遇の良い事業所へ移る事です。実際私の周りではこのタイプの方が一番多く、いろいろな施設や事業所をめぐって最終的に今の施設に一番長く腰を据えている方が多くいます。
実際に介護業界は、労働環境が事業所によって大きく異なる事が多くあります。言い方を変えると、ブラックとホワイトが共存しているとも言えるのですが、こればっかりは働いてみないと本当のところはわかりません。そうやって、いろいろなところを転々として、結果的に今の施設に落ち着いた、という感じですね。
資格を取得してキャリアアップ
まずは介護福祉士を取得し、その後にケアマネ資格を取り同じ法人内で、または全く別の他の介護関連の事業所へ転職される方も何人かみえました。また、社会福祉士を取得していれば同じ事業所内でも現場から生活相談員など事務職への移る方も何人もいらっしゃいました。
ただ資格については、資格によって取得までのルートがいくつか存在する場合があり、学校卒業と同時に取得できるものでも働きながらは敷居の高い資格もありますので、事前に調べて計画的な将来設計を進めることをお勧めします。
他業種から介護への転職
全く異なる職種からいろいろな理由により無資格・未経験で介護職へ転職してくる方も多くいますが、実は私もそのうちの一人です。
理由は人により様々で、転職前の業種は私の周りだけでも『飲食店』『床屋さん』『工場(製造業)』『トヨタ自動車(!?)』『清掃業』『ゼネコン』『旅館』『ネットビジネス』さらには『元自衛隊員!』なんて人もいます。
理由だけでなく、性別や年齢も実に様々で、前業種の話を聞けるのは本当に楽しく思います(笑) ただ、ひょっとしたら
『前の職場で失敗をしたり、生活苦で已むに已まれず介護業界にきたんじゃないの?』
と思う人がいるかもしれません。介護業界は低所得のため門戸が広く、誰でも受け入れている、だから結果として『人生詰んだ人』が最後に行きつく先は介護でしょ、・・・なんて思わないでください!
事実は全く違い、介護をしたくて一念発起で転職した!という方がとても多いんです。そして、少なくとも私の周りの方たちは誰も転職したことを後悔せず、みんな楽しく仕事をしています。
収入よりもやりたいと思ったから転職した、という理由が圧倒的に多く、むしろそれこそ一念発起で始めた事業が芳しくなく、家族の生活を支えるためにやむなく転職・・・というシビアな過去を持つのは私くらいです。
ただ、あえて言うならシングルマザーが多い職場ではあります。女性職員の1/3以上はシングルマザーなのですが、誰もみな『人生詰んだ』なんて人はいません。むしろ彼女たちは元気の塊で、職場の雰囲気をパッと明るくしてくれる優しく明るい方ばかりです。むしろ(本当に申し訳ないのですが)なんだか暗い影を背負っているような雰囲気を持った方は長続きせず、すぐに辞めていかれてしまいます。
シングルマザーの方たちにとっては、介護職が無資格未経験でもそれなりの給料がもらえることが理由となっている可能性があります。これについては『介護職になって良かったと思うこと』のポイント③思ったほど給与は悪くないをご覧ください。
介護から他職種へ転職し、また介護に戻ってきた方たち
介護職から他の職種へ転職される方もいますが、再び介護職に戻ってくるというパターンは意外に多くあります。
実際のところ、介護に携わる身として介護の仕事は決して楽ではありませんし、給与も高いとは言えないのですが(もちろんご本人が一番よくわかっているはず)、一度介護の仕事を経験されると、なぜだか仕事としての介護に何らかの魅力を見出す人が案外多いのかもしれません。
いかがでしたか?もしこれを読んでくれている方の印象と違っていて、少し介護に興味あるなって思う方は、ぜひ介護業界をのぞいてみてはいかがでしょうか?